こんにちは、土日休み.com運営部です。
今回はビジネスコールダイレクトについて解説していきます。
ビジネスコールダイレクトはKDDIが提供する内線通話が可能なFMCサービスです。
FMCサービスは近年、連携やその他できる事が増え、扱いやすくなってきました。
結論としてはビジネスコールダイレクトはそこまでおすすめではありません。
理由は利用の条件としてauの携帯電話かKDDIの電話回線しか使えないためです。
この記事ではビジネスコールの特徴やメリット・デメリット、向いている会社や向いていない会社などを解説していきます。
特にビジネスコールダイレクトがそこまでおすすめできない理由をわかりやすく説明しますので、最後までお付き合いいただけると幸いです。
FMCサービスとクラウドPBXの違い
ビジネスコールダイレクトの説明の前にFMCサービスについて簡単に説明します。
FMCとはFixed-Mobile Convergenceの略で、簡単に説明すると「モバイル端末を固定電話機と同じように使うことができる仕組み」のことです。
よく似たサービスにクラウドPBXがありますが、FMCとはできることが異なります。
FMCサービスとクラウドPBXの違いをまとめると以下の通りです。
- 外線番号の発信:FMC 不可、クラウドPBX 可能
- 外線番号の着信:FMC 不可、クラウドPBX 可能
- 複数キャリアの利用:FMC 不可、クラウドPBX 可能
一般的にはFMCサービスのできなかったことを可能にしたサービスがクラウドPBXです。
ただし近年ではFMCサービスでも同社が提供しているサービスと組み合わせることによって、外線番号の発着信を可能にしているものもあります。
またFMCサービスには「キャリアFMC」と「アプリFMC」の2種類が存在します。
キャリアFMCはMNO(移動体通信事業者)が提供するサービスで、固定回線と移動体回線(モバイル回線)を1つの契約で提供するサービスです。
キャリアFMCではMNOが提供する回線網(キャリアFMC網)と自社が利用するPBXを接続し、発着信を制御する方式が一般的となっています。
アプリFMCはモバイル端末に専用アプリケーションとしてインストールすることで端末同士を内線のように通信させるサービスです。
今回解説するビジネスコールはKDDI(au)のキャリアFMCということになります。
ビジネスコールダイレクトとは?
ビジネスコールダイレクトとはKDDIが提供し、各種サービスと併用することで発着信が可能になったFMCサービスです。
ビジネスコールダイレクトの特徴
ビジネスコールダイレクトには以下のような特徴があります。
- 安心のKDDI回線
- 内線電話でもSMSを利用可能
- 既存PBXでも利用可能でコスト削減
- 電話会議の通話料金が定額で利用できる
- 時と場所を選ばず会社の電話を受けられる
それでは1つずつ特徴を解説していきます。
安心のKDDI回線
ビジネスコールダイレクトはKDDIが提供するFMCサービスです。
au携帯電話とKDDI固定電話サービスを利用しているため、回線がau回線のものとなります。
クラウドPBXやFMCサービスでは固定電話に比べ環境によって通話品質が悪かったりしますが、au回線を使っているため通話品質については安心できます。
内線電話でもSMSを利用可能
ビジネスコールダイレクトは内線SMS機能が搭載されており、内線番号でSMSを利用できます。
携帯電話を持っていない場合でも、固定電話の内戦番号やPC専用のWeb画面からSMSの送受信が可能です。
またSMSの送受信料は無料とされており、他拠点間やオフィス内、社員同士のメッセージのやり取りをSMSに統一すればコストの削減に繋がります。
既存PBXでも利用可能でコスト削減
ビジネスコールダイレクトは既存のPBXを使うことができます。
既存のPBXを使うことができるため、乗り換えなど設備投資をしなくて済み、大幅なコストの削減が可能です。
対応PBXは以下の表の通りです。
ビジネスコールダイレクト対応PBX | |
ICOM | AP-5100VoIP #58 SR-53V #58 |
IWATSU | LEVANCIO Frespec |
NEC | UNIVERGE Aspire UX UNIVERGE SV9300 UNIVERGE SV9500 |
OKI | IP CONVERGENCE Server SS9100 DISCOVERY neo CrosCore2 |
Offuce24 | MOT/PBXシリーズ |
saxa | PLATIA |
Cisco | Cisco Unified Communications Manager Cisco Unified Communications Manager Express |
NAKAYO | NYC-iFシリーズ NYC-Siシリーズ |
Avaya | Avaya Aura Communication Manager |
ribbon | SBC1000 SBC2000 |
NEXTGEN | NX-E1000 NX-E1010 U3 Voice (ユーキューブ・ボイス) クラウドPBXタイプ |
Panasonic | IP OFFICE S II/M II/L II |
HITACHI | NETTOWER CX-01 NETTOWER MX-01 S-integralシリーズ |
富士通 | LEGEND-V LEGEND-V S100 IP Pathfinder RM10S SSM2 IP Pathfinder S |
ユニファイドコミュニケーションズ | UC Server-P |
電話会議の通話料金が定額で利用できる
ビジネスコールダイレクトとKDDI電話会議サービスを組み合わせることで、電話会議が通話料定額で利用ができます。
KDDI電話会議サービスは初期費用や月額基本料は0円で、低コストで電話会議を行うことができるサービスです。
テラワークや在宅勤務、他拠点と会議を行う際に電話会議を利用している場合はお得なサービスとなります。
時と場所を選ばず会社の電話を受けられる
ビジネスコールダイレクトはauオフィスナンバーと組み合わせることで、au携帯電話1台で社内・社外で固定電話番号を使い分けることができます。
クラウドPBXでは外出先でも自宅でも会社の電話番号を利用できるというのは一般的な機能ですが、ビジネスコールダイレクトの場合はauの携帯電話に限定されます。
またauオフィスナンバーというサービスに別途加入が必要です。
auオフィスナンバーとはauスマートホン・au携帯電話で固定電話番号が利用できるサービスです。
初期費用が110円、月額費用が880円電話番号ごとにかかり、更に通話料金やオプション料金がかかります。
auオフィスナンバーの利用料金は利用台数やオプションによって異なりますので、詳しくはKDDIの公式サイトをご覧ください。
ビジネスコールダイレクトの料金
ビジネスコールダイレクトの料金は以下の通りです。
ビジネスコールダイレクトの料金 | |
初期費用 | |
CUG初期登録料 | 11,000円/グループ |
オンネット番号初期登録料 | 1,100円/固定事業所番号・au内線番号 |
サブネット番号初期登録料 | 330円/番号 |
内線SMS (au) 初期登録料 | 無料 |
内線SMS (Web) 初期登録料 | 1,100円/ユーザーID |
月額費用 | |
CUG基本利用料 | 2,200円/グループ |
オンネット基本利用料 (au) | 990円/回線 |
オンネット基本利用料 (光ダイレクト) | 440円/ch |
オンネット基本利用料 (IPフォン) | 440円/ch |
オンネット基本利用料 (Webex Calling) | 440円/番号 |
サブネット基本利用料 | 無料 |
※表での初期費用と月額料金は基本利用料と工事費のみを記載しています。実際の金額は契約台数やオプションによって追加料金がかかります。詳しくはビジネスコールダイレクトの公式サイトをご覧ください。
ビジネスコールダイレクトの評判・口コミ
ビジネスコールダイレクトのネット上での評判や口コミを調査しましたが、最近の口コミや評判は見つかりませんでした。
ビジネスコールダイレクトを導入するメリット・デメリット
ここからはビジネスコールダイレクトを導入するメリットとデメリットを解説していきます。
ビジネスコールダイレクトを導入するメリット
ビジネスコールダイレクトを導入するメリットは以下の2つがあります。
『メリット』
- 信頼して利用できるau回線
- KDDIサービスへの一本化でコスト削減
ビジネスコールダイレクトは一般的なクラウドPBXのメリットである「業務の効率化」、「社員間のコミュニケーションの効率化」、「通信・運用コスト削減」が可能です。
その他にもビジネスコールダイレクトはau回線なので通話品質に対しては安心して利用することができます。
電話相手が取引先、顧客の場合クリアな通話であるほど印象が良く、内線通話を利用する場合は伝達ミスの回避に繋がります。
またビジネスコールダイレクトを利用するとKDDIサービスへ一本化ができ、管理が楽になったりコストの削減に繋がります。
ビジネスコールダイレクトを導入した際のデメリット
ビジネスコールダイレクトを導入するデメリットは以下の2つがあります。
『デメリット』
- 利用できるのはauの携帯電話やKDDI固定電話サービスだけ
- ビジネスコールダイレクト以外のKDDIサービスに加入する必要がある
ビジネスコールダイレクトはau携帯電話とKDDI固定電話サービスを利用していなければ使うことができません。
既に会社支給の携帯電話が他社のものを使っていた場合はビジネスコールダイレクトを使用するためには全て乗り換える必要があります。
またビジネスコールダイレクトだけ加入すればクラウドPBXの一般的な機能が使える訳ではありません。
携帯電話で会社の電話番号を使って発着信するには「auオフィスナンバー」を、電話会議を定額にするには「KDDI電話会議サービス」を組み合わせて使う必要があります。
ビジネスコールダイレクトが向いている会社と不向きな会社は?
ここからはビジネスコールダイレクトが向いている会社と不向きな会社を解説していきます。
ビジネスコールダイレクトが向いている会社
『向いている会社』
- auの携帯電話を支給している会社
- 通話品質にこだわりのある会社
auの携帯電話を支給している会社にビジネスコールダイレクトは向いています。
ビジネスコールダイレクトを使うために携帯電話の乗り換えが必要なく導入コストを抑えることができ、導入後は社員間やオフィスへの電話などが全て内線通話となるので通話コストを大きく削減できます。
また通話品質にこだわりのある会社にもビジネスコールダイレクトは向いています。
携帯電話はau回線を固定電話やPCはKDDIの電話サービスを利用することになるので、回線面が信頼でき通話品質が保証されています。
外線だけでなく内線通話の品質が上がれば社員間の連絡ミスなどがなくなり、業務効率が向上します。
ビジネスコールダイレクトが不向きな会社
『不向きな会社』
- au以外の携帯電話を支給している会社
- 対象外のPBXを使用している会社
au以外の携帯電話を支給している会社はビジネスコールダイレクトに不向きです。
会社支給の携帯電話を乗り換える必要があるため、導入コストが大きくなってしまいます。
また対象外のPBXを使用している会社にもビジネスコールダイレクトは不向きです。
ビジネスコールダイレクトで使用できるPBXを買い直すとなると、同様に導入コストが大きくなってしまいます。
まとめ
今回はビジネスコールダイレクトの特徴、評判と口コミ、メリット・デメリット、向いている会社と向いていない会社を解説しました。
ビジネスコールダイレクトの利用はauの携帯電話とKDDIの電話回線でなくては使うことができません。
クラウドPBXは導入後に外部サービスとの連携をしなければ簡単なセットアップでスマホの内線化やPC連携などができますが、ビジネスコールはFMCサービスということもあり複数のKDDIのサービスを同時に契約しなければ発着信ができません。
多くのPBXに対応しており、PLATIAやUNIVERGE Aspire UXなどをそのまま使えるのは良い点です。
しかし新規でビジネスコールダイレクトを検討している会社にはそこまでおすすめはできません。
やはりau・KDDIの契約が必須というところがネックとなっています。
まだ社員にスマホや携帯電話を支給していないという会社やたまたまauの携帯電話とKDDIの電話回線を使っている会社の場合は検討してみても良いでしょう。
KDDIだからこそ調べていたという方にとっては見積りをとってみることをおすすめします。
限定的な方にしかおすすめできず、ビジネスコールダイレクトは機能がそこまで多くなく契約が複数ある点で、クラウドPBXを使ったほうが良いです。
ビジネスコールダイレクトを検討中の方は、ビジネスコールダイレクトの見積もりと同時に他社のクラウドPBXも検討してみてください。