オフィス移転をする際は現在のオフィスを解約して出ていく必要がありあます。
そして解約するにあたって行う原状回復工事はオフィス移転をする上でコストをカットできる部分であり、大きな注意点でもあります。
今回の記事では、退去準備を進める上で必要な現状回復工事とその他の作業について解説します。
オフィス移転時の退去準備に必要なことは
まずは退去の時に必要な全ての作業についておさらいします。オフィス移転時の退去準備で必要な作業は以下の通りです。
- 現オフィスの解約をオーナーor管理会社に告知
- 重要事項の確認
- 現オフィスの現状回復工事
オフィス移転の始まりは、現在のオフィスを退去できるかどうかの確認からです。
基本的にはオフィスを退去する半年前までに退去する旨をオフィスのオーナーや管理会社などに通知します。なお、場所によっては3ヶ月前でも良い場合があります。この点についてもあらかじめ確認しておきましょう。
また、この際に敷金や依託金などの返済時期についても確認するようにしましょう。
そして、退去までに必要なのが原状回復工事です。こちらは契約書によるのですが、貸主(オーナーや管理会社側)が業者を指定して見積もりを出すケースがほとんどです。そして後ほど解説しますが、こちらはボッタクりが発生するポイントにもなっているので注意が必要です。
- 解約通知をいつまでにすれば良いか
- 敷金や依託金の返済時期
- 原状回復工事の詳細や見積もり
オフィス移転時に必要な原状回復工事とは?
まずは原状回復工事がなぜ必要なのか、どういったことをすれば良いのかについて確認します。
原状回復工事とは、簡単に言えば「自分たちの都合で変えたところは借りた時の状態に戻してから出て行ってね」という趣旨の工事です。
オフィスの賃貸借契約を解除する際に、借りている人は借りた物件を「借りた時の状態=原状」に戻して貸した人に返す必要があります。
この原状回復は、原則として借りた人の負担で行うことが法律で定められているため、工事が必要というわけです。
- 間仕切りをした場所
- 床・壁紙の張替え
- 各種回線の撤去
- 増設したオフィス用品や造作物(デスクや看板など)
- こちらの過失でつけてしまった大きな傷など
だいたいのオフィスでは、賃貸契約書に原状回復についての記載がなされており、それにしたがうことになります。基本的にはオーナー・管理者側が業者を指定することになっている契約が多いです。
ただし、その契約をいいことに原状回復工事の範囲外まで工事したり、高額な見積もりを送りつけるといったことも横行しているので注意が必要です。後ほど詳しく解説します。
なお、こちらで必要な修復を行えば良いという場合は新しいオフィスの内装工事をお願いする業者さんにやってもらうのが良いでしょう。
オフィス移転時の原状回復工事にかかる費用の相場は?
こちらは、状況によりかなり異なってくるので一概には言えないというのが事実です。
- オフィスの場所
- オフィスの大きさ
- 築年数
- 施した内装
- 現状回復工事の範囲
これらの要因によって大きく左右されます。
ただし、中・小規模のオフィスであれば一坪あたり30,000円〜50,000円、大規模なオフィスであれば一坪あたり70,000円〜100,000円あたりが目安となっています。
とは言え振れ幅は大きいので、「この金額に近かったら大幅なぼったくりではない」ぐらいで認識しておいてください。また、こちらは一般的なオフィスの相場ですので、内装が複雑な場合などには、さらにかかる場合も有ります。
オフィス移転時の原状回復工事で気をつけるべきポイントは?
では、原状回復工事において気をつけるべきポイント・費用を安く抑えるためのポイントについて解説します。
ポイント1:オーナー・管理会社さんと認識のすり合わせを行う
原状回復工事において一番避けたいのがオーナー・管理会社さんとのトラブルから訴訟問題に発展することです。
そんなことにならないためにも、確認すべき事項は工事が始まる前に確認しておきましょう。
- 契約書の内容と解釈の確認
- 原状回復工事の範囲の確認
- 工事を行う業者の確認
工事の範囲や業者については、基本的に契約書どおりとなります。
お互いの認識を一致させておくことで、後々のトラブルを回避することができます。
ポイント2:オーナー・管理会社さんと交渉をする
工事の範囲や金額については交渉の余地がありますので、交渉すべきところはしっかりと話し合いましょう。
- 原状回復の工事を最小限にする
- 費用が高いところについては値下げ交渉
- 居抜き物件としてそのまま貸し出せるかどうか
オフィスの原状回復については、通常の住宅と違って工事の範囲が多いです。私の体感ですと、7割ぐらいの契約書は原状回復工事を100%にする特約になっています。
それでも、管理会社やオーナーさんのメリットになるようなものや工事を行なっている場合、その部分についてはそのままで良いということもあるようです。
また、原状回復工事を回避する手段として「居抜き」というものがあります。居抜きとは、内装などが施してある状態の物件をそのまま借受けることです。
こちらは原状回復工事をしなくて済み、次に入る業者は内装などをそのままで使えるというメリットがあります。
オーナーさんから許可をもらい、次に入居する会社を見つけた場合にはこちらの方法も使うことができます。
まとめ
ここまで退去準備と原状回復工事について解説してきました。
現状回復工事はオフィス移転において注意すべき点となっているので、後腐れがないようにしましょう。
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