普段当たり前のようにパソコンを使っていても、案外サーバーについて理解していない人が多くいます。
「物理サーバーってなに?」
「共用サーバー?専用サーバー?」
「共用サーバーと専用サーバーの違いってなに?」
今回、土日休み.comでは、物理サーバーについて解説していきたいと思います。これからサーバーを導入しようと検討している方もサーバーに関する最低限の知識は持っておくことをおすすめします。データを管理する心臓部分であるサーバーに関する知識がないことが原因による人的ミスで、個人情報流出や誤ったデータの削除などの意図しないハプニングを避けられるようになります。
物理サーバーとは?
物理サーバーとは、サービスを提供してくれるコンピュータそのもののことを指します。
物理サーバーの仕組みとしては、物理サーバー内に原則1つのOSをインストールし、そのインストールされたOSがCPU、メモリー、ストレージといった物理サーバー内の資源を使い、ソフトウェアやハードウェアを稼働させ、サーバー全体を動かしています。
物理サーバーの特徴としては、原則1つの物理サーバーには1つのOSしかインストールできないという点です。また、ハードウェアが持つリソースに直接アクセスしているため、仮想サーバーよりもパフォーマンスが高くなりやすい傾向があります。
身近なもので言えば、パソコンも物理サーバーに含まれます。物理サーバーの中には、メモリー、CPU、ストレージなどのパーツが搭載されおり、現代社会の多くの場所で、このサーバーが利用されています。
また、物理サーバーのデメリットとして挙げられてきた、資源が有効活用できないという点をカバーするために仮想化という技術が進み、仮想サーバーというのも大幅に運用されています。
仮想サーバーに関する詳細はここでは省きますが、興味のある方は下の記事にまとめてあるので参考にするといいと思います。
物理サーバーである共用サーバーと専用サーバーの違いは?
物理サーバーは、
- 共用サーバー
- 専用サーバー
以上の2種類にわけることができます。
共用サーバーと専用サーバーの違いは、1ユーザーでサーバーの資源を運用しているか複数ユーザーでサーバーの資源を運用しているかという違いです。
共用サーバーの場合、複数ユーザーで1つのサーバーの資源を使っています。
そのため、複数ユーザーの中の1ユーザーが資源を多く必要としていると、サーバーの資源を共有しているユーザー全体にサイトの表示速度が遅くなるなどの影響が生じます。
また、共用サーバーはレンタルサーバーとして運用し、複数ユーザーで資源を共有して使っている分、専用サーバーよりも運用費用が安くなる傾向にあります。
共用サーバーの詳細は下の記事にまとめてあるので、共用サーバーのメリットやデメリットなどを知りたい方は参考にしてください。
専用サーバーの場合、1ユーザーで1つのサーバーの資源を使っています。
そのため、共用サーバーとは異なり、周りのユーザー(レンタルサーバー)からの影響はありません。
専用サーバーの醍醐味と言えるほどのメリットです。専用サーバーを運用している人の多くは、周りからの影響を受けたくないからこそ専用サーバーを運用している方が大方を占めるでしょう。
また、1ユーザーでサーバー全てを貸し切っているため、当たり前ですが共用サーバーよりは維持費は高く付きます。
専用サーバーの詳細は下の記事にまとめてあるので、専用サーバーのメリットやデメリットなどを知りたい方は下の記事を参考にしてください。
物理サーバーと仮想サーバーの違いとは?
物理サーバーと仮想サーバーの違いは、仮想化したサーバーを使っているか物理的なサーバーを使っているかです。
物理サーバーは、企業などでデータを管理するのに多用されているような比較的大きいサーバーが多いです。おそらくドラマやアニメなどで描かれるような大きな箱のようなコンピューターが並べられているイメージは物理サーバーです。
それに対して、仮想サーバーは物理サーバーのスペック(性能)と仮想化ソフトウェアを利用し、サーバーを仮想化させ、その仮想化させたサーバーを運用しているのが仮想サーバーです。
そのため、仮想サーバーには実態はありません。比較的コンパクトな機械に膨大な仮想サーバーが保存されていることもあります。
物理サーバーと仮想サーバーの違いについてさらに知りたい場合は下の記事を参考にしてください。初心者にもわかるようになるべく専門用語を避けて執筆させていただきました。
物理サーバーのメリット・デメリットとは?
ここからは、物理サーバーのメリットとデメリットをご紹介していきます。
物理サーバーのメリットとは?
物理サーバーのメリットは主に3つあります。
1つ目のメリットは、仮想サーバーよりも高いパフォーマンスを発揮できるという点です。
これは物理サーバーだからこそ成り立つメリットなのですが、基本的に仮想サーバーは仮想化ソフトウェアを使って構築します。
ソフトを一旦通してデータをやりとりしなければならないため、物理サーバーと仮想サーバーを比べてときはどうしても同じスペックを使っていたとしても物理サーバーの方が高いパフォーマンスを発揮することができます。
2つ目のメリットは、連携やカスタマイズをしやすいという点です。
ソフトなどを物理サーバーに連携させる分には、物理サーバーとの互換性を意識しプログラムを組めば可能になります。
しかし、仮想サーバーの場合は、物理サーバーの他にも仮想化ソフトなど物理サーバーよりも連携させるための条件や工数が多くなってしまうというわけです。
3つ目のメリットは、セキュリティ面で強いという点です。
基本的に、セキュリティとは工数が少なければ少ないほど強固なものになります。例えば、出入り口が一つしかない部屋の場合そこだけを見張っていれば侵入者を特定できますが、出入り口が100個ある部屋の場合はそれだけ監視するのが大変になるのと同じです。
複雑であればあるほど、データを守るのもより複雑になってきます。つまり、物理サーバーと仮想サーバーを比べた場合、どうしても仮想サーバーは複雑な設計になってくるためそれだけ、セキュリティとしてチャックすべき箇所が増えてしまうというわけです。
- 仮想サーバーよりも高いパフォーマンスが発揮できる。
- 物理サーバーはサーバーの軸であるため、連携やカスタマイズをしやすい。
- セキュリティ面で強い。
物理サーバーのデメリットとは?
物理サーバーのデメリットは主に2つあります。
1つ目のデメリットは、導入費や維持費などのコストがかかるという点です。
物理サーバーというのは導入費以外にも電気代や人件費などの維持費にもかなりの費用がかかってきます。後ほど詳しく説明しますが、規模が大きければ大きいほど費用が増していくため、近年は仮想サーバーが好まれる傾向があります。
2つ目のデメリットは、トラブルが起きたときの対応が大変という点です。
物理サーバーが何かのトラブルで障害が起きたとき、もちろん修理しなければならないのですが、修理するのにかなりの手間がかかります。例えば、24時間稼働しなければならない場合は、一時的に代わりとなるサーバーを構築しなければなりません。
そのため、大きなサービスを運営するにはサーバーに障害が起きたときの対応策も巡らせておく必要があります。
- 導入費や維持費などのコストがかかる。
- トラブルが起きたときの対応が大変。
物理サーバーってどのくらいの費用がかかるの?導入方法は?
ここからは、物理サーバーを導入すると、実際、どのくらいの導入費や維持費がかかってくるのかを解説していきたいと思います。実際に、サーバーを自社で構築する際はどのような方法を取れば良いのかをご紹介していきます。
物理サーバーの費用
基本的に物理サーバーを個人で構築する際は、莫大な費用が必要になるというのはまず最初にお伝えしておきます。
一旦、サーバーを導入する際とした後にかかる費用を下のリストアップしてみましょう。
- サーバー導入費
- 回線費
- サーバーをメンテンスする人件費
- 電気代①(サーバーを運用するためだけの電気代)
- 電気代②(サーバーを冷やすための電気代)
簡単に解説していきましょう。
サーバー導入費
これはどれだけのスペック(性能)のサーバーを求めるかによって大きく変動します。主にはCPU、メモリー、ストレージといったところに費用がかかってくるでしょう。
回線費
転送速度などによってこれもピンからキリまで価格帯が存在します。一般的には数万~数十万といったところで収まるはずです。そして、固定IPサービス料金も月額でかかってきます。これは、安いところで月に¥1000から利用可能です。
サーバーをメンテンスするための人件費
サーバーをメンテンスするための人も必要になります。もし、サーバーを運用するのが24時間体制の場合は8時間を3人で回していったとしても月に換算すると60万はかかってきます。
しかし、これは3人を毎日フルで働かせた場合の計算なので実際は6人ほどでメンテンスする必要があるため、月に120万円以上は軽くかかってきます。
電気代①
電気代①として当てはまるのが、サーバーを運用するためだけの電気代です。もちろん、規模や運用する場所によって電気代は変わってきますが、24時間フルで運用した場合は数千円~数万円単位で料金が発生してくるでしょう。
電気代②
電気代②として当てはまるのが、エアコンなどを使ってサーバーを冷却するための費用です。
基本的にパソコンと同じく、サーバーは熱に弱いです。最悪の場合、熱によってサーバーが落ちる場合もあるくらいです。
このサーバーを冷却するのに費用がかなりかかってきます。特に夏はサーバーを稼働させている間はエアコンなどのよって調整する必要があります。
この冷却にかかる費用が月に換算して、最低でも数千円~数万円はかかってくるでしょう。
物理サーバーの導入方法
サーバーを導入する場合は、実際に業者に何社か見積を出し、検討することをおすすめします。
また、規模によっても異なりますが、導入するのではなく、レンタルという選択肢もあります。どうしても自社でサーバーを構築したいという場合は別ですが、AmazonやGoogleのような規模の大きいサービスになってから自社サーバーに切り替えるという選択肢を取る方がコストパフォーマンスは高いと言えます。
まとめ
ここまで物理サーバーについてまとめてきましが、ここ数年でサーバーの開発もかなり進み、今では共用サーバー(レンタルサーバー)でも十分Webサービスを運営できます。
一つ確実なことが言えるのは、サービスを立てる前から自社サーバーを構築することだけはおすすめしません。
サーバーは、用途によって運用すべきサーバーの種類も変わり、大きくわけで4種類ほどあります。
そのため、まずは自分がどのような用途でサーバーを運用したいかを明確にし、4種類のサーバの特徴を合致させて上で選択すると良いでしょう。
4種類のサーバーについてよくわからないという場合は下の記事を参考にしてください。
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