こんにちは。土日休み.com運営部です。
ここ10年あまりでパソコンやインターネットが大きく普及してきましたが、パソコンというものには必ずデータを保存するストレージという場所があります。人間でいう記憶を管理する部品のことです。
今回はそのストレージの中でもかなり専門的な分野のMLCとは一体どのようなものなのかをこの記事でパソコン初心者にでもわかるように説明していきます。極力専門的な言葉を避けるようにします。
おそらくよっぽどパソコンに精通している人でないと、MLCというワードを聞いて、すぐにどのようなものかをわかる人はいないと思います。
今回の記事では、
「SSDのMLCってなに?」
「MLCってどこがすごいの?」
「MLCって美味しいの?」
といった質問や疑問を解消していきたいと思います。
また、この記事ではHDDやSSDなどのストレージについてはある程度の知識がある前提で書いていくつもりなので、「ストレージって何?食べれるの?」という場合は、下の記事にまとめてあるので参考にしてください。
MLC(マルチレベルセル)採用のSSDの特徴とは?
MLC(マルチレベルセル)とは、データを保存するセルという部屋に2ビットの情報を入れることができるNAND型フラッシュメモリーのことを指します。
MLCの他にもSLC(シングルレベルセル)、TLC(トリプルレベルセル)、QLC(クアッドレベルセル)といった計4種類のNAND型フラッシュメモリーに分類されますが、この4種類はSSDなどのストレージ性能に大きく関係しており、性能順にそれぞれ「SLC」「MLC」「TLC」「QLC」となっています。
ざっと以下の表が各種類別の性能や価格帯を表したものです。
種類 | 性能 | 価格帯 | 顧客層 |
SLC | ★★★★ | 数十万円くらい | 会社、企業向け |
MLC | ★★★ | ¥5,000~¥150,000くらい | 一般家庭向け |
TLC | ★★ | ¥3,000~¥20,000くらい | 一般家庭向け |
QLC | ★ | ¥3,000~¥20,000くらい | 一般家庭向け |
最も人気なSSDはMLC採用?SLCはなぜ流行らないの?
基本的には、SSDなどのストレージには、先に紹介した4種類のNAND型フラッシュメモリが採用されており、2019年現在MLCを採用したSSDが最も普及しています。最も性能の高いSLCが普及しづらい理由は下の記事にまとめてあるので興味がある方は参考にしてください。
その他に、「SLC、TLC、QLCなどNAND型フラッシュメモリーの全体像について知りたい」という場合や「NAND型フラッシュメモリーについてよくわからない」という方は下の記事を参考にしてみてください。
そもそもSSDの仕組み・構成とは?わかりやすく解説!
SSDとは、主に3つのパーツから構成されています。
- メモリコントローラー
- メモリチップ
- DRAMキャッシュ
メモリコントローラーとは、SSDの処理速度の要とも言えるパーツです。
コントローラの役割としては、フラッシュメモリ(データを記憶する場所)にデータを送ったり引き出したりするのが主な役割です。コントローラの性能次第で、データの転送スピードが大きく違ってきます。2019年現在、コントローラの性能がSSDが一般向けに普及し始めた当初と比べると大幅な進化を遂げており、性能は上がり、価格帯は落ち着いてきているのが現状です。
メモリチップとは、メモリを実際に記憶するための場所のことです。別名NAND型フラッシュメモリとも言います。
このメモリチップは、先にも紹介したとおり、SLC・MLC・TLC・QLCの4種類が存在し、性能・耐久性・価格帯が大きく異なります。一般的には、SLCは膨大なデータを処理するような企業向けで、その他は一般家庭向けと言われています。
DRAMキャッシュとは、頻繁に使う小さいデータを一時的に記憶することで、処理速度を上げる役割を持っています。
一昔前の安価なSSDの場合は、このDRAMキャッシュが搭載されていないことがありましたが、2019年現在では、搭載されていないものを見つける方が難しいほど、一般普及しています。ちなみに、このDRAMキャッシュが搭載されていないとプリフリーズというものが引き起こり、パソコンの動作に大きく影響することが多々あります。
NAND型フラッシュメモリーMLC採用のSSDメリット・デメリットとは?
ここからは、NAND型フラッシュメモリー『MLC』のストレージを導入するメリットやデメリットをご紹介していきます。ただし、「SLC」「MLC」「TLC」「QLC」を比較したものであり、SSDやHDDの比較ではないので注意してください。
SSDやHDDの比較が気になる場合は下の記事を御覧ください。
MLC採用のSSDを使うメリット
MLC採用のストレージを利用するメリットは主に5つあります。
1つ目のメリットは、価格帯的に導入しやすいという点です。
MLCよりも性能が高いSLCと比べると大幅に導入費用が下がり、一般的な家庭や会社でも十分導入しやすい価格帯まで下がります。MLCが市場に出回り初めた当初はMLCもまだ一般家庭への普及は難しい価格帯でしたが近年大幅に価格帯も下がりました。
2つ目のメリットは、耐久性が高く、寿命が長いという点です。
これはSLCと比較するともちろん耐久性にも劣りますが、コストパフォーマンスを考えると最もSLCよりも高いです。
3つ目のメリットは、書き換え回数が多いという点です。
業界的には書き換え回数が1万回とされており、Googleのようなビックデータを処理するようなコンピュータで無い限りは十分な書き込み回数と言えます。
4つ目のメリットは、エラーが起きにくいという点です。
SLCの次にエラーが起きにくいのがMLCとなっています。簡単に説明すると、データを保存する空間を贅沢に使用しているため処理が複雑にならず、非常に処理しやすい形で行えるためです。
MLC(マルチレベルセル)は、一つのセル(データを保存する部屋)に2ビットの情報を保存しますが、SLCは1ビット、TLCは3ビット、QLCは4ビットと1つのセルに保存するビット数が少なければ少ないほどエラーは起きにくくなります。
5つ目のメリットは、容量にバリエーションがという点です。
これは、MLCになると市場に出回るため、MLCの改良が優先的に進んでいるためです。SLCは性能は高いですが、その分一般的に使用されないため大容量化は特注という形になり、Amazonなどの市場には出回っていません。
- SLCと比べると導入しやすい価格帯。
- SLCの次に耐久性が高く、寿命が長い。
- 書き換え回数が1万回とSLCの次に多い。
- SLCの次にエラーが起きにくい。
- 容量のバリエーションがある。
MLC採用のSSDを使うデメリット
MLC採用のストレージを利用するデメリットは主に2つあります。
1つ目のデメリットは、一般家庭で利用されるものの中では最も価格が高いという点です。
SLCが企業向けの規格なため、MLCが実質一般的に利用される最高性能を誇るフラッシュメモリーとなるため、実質最も効果なメモリーとも言えます。
2つ目のデメリットは、SLCに比べると書換回数が少ないという点です。
具体的には、SLCの書き換え回数が10万回なのに対し、MLCは1万回と約10分の1の書き込み回数となっています。しかし、正直なところ1万回数もの書き換え性能を持っていれば普通に使用していた場合は6年~8年は十分利用できるので、単純にSLCとMLCを比較した場合デメリットになるというわけです。
- 一般家庭で利用されるものの中では最も価格帯が高い。
- SLCと比べると書き換え回数が少ない。(約10分の1)
MLC採用のSSDの価格帯とは?2019年おすすめのSSD製品とは?
ここからは、『MLC』を搭載したSSDがどのくらいの価格帯なのかをご紹介していきたいと思います。
SSDというのは比較的、新しい製品がでる頻度が高く、どんどん新しいものが市場に流れてくるため、徐々に古い方のものが落ち着いてきている傾向にあります。安いものだと¥5,000から買えるものもあり、平均的には¥10,000~¥30,000が一般的な価格帯です。
実際にMLC採用限定でおすすめの製品をいくつか一覧にしておくので参考にしてみてください。MLC採用ともなると一般家庭に普及しているとは言えども、一般的に普及している中では最高級品なため、他のTLCやQLCと比べると高い価格帯と言えるでしょう。
【2019年最新】おすすめの人気SSD(MLC採用)はどれ?
ここからは、おすすめのMLC採用の人気SSDを容量別にご紹介していきます。
SSDだけでなくパソコンパーツ全般に言えることですが、パソコンの部品の成長スピードというのは非常に早く、今日最新モデルだったものが半年後には古いモデルと称されるほどです。
土日休み.comでは、コスパの高いSSDの発表とともに、最新情報を常に更新するようにしていますが、常に最新の情報のパーツを選ぶよう意識するようにしましょう
SSDの容量(GB) | SSD単価(円) |
256GB | 約¥5,000~¥14,000 |
500GB | 約¥7,000~20,000 |
1000GB(1TB) | 約¥20,000~¥40,000 |
2000GB(2TB) | 約¥45,000~¥80,000 |
4000GB(4TB) | 約¥90,000~¥130,000 |
MLC採用SSDの平均寿命はどのくらい?
ここからは、『MLC』のストレージの寿命についてはご紹介していきます。
人間の場合様々な原因で寿命を迎えることありますが、MLC採用ストレージの寿命とは、書き込み回数の上限を超過し、これ以上書き換えをすることができない状態のことを指します。
MLC採用のSSDの場合、業界的には書き込み回数が約1万回と言われており、動画編集などのストレージに負荷のかかるような業務を毎日行った場合は3~5年、一般家庭や会社などで普通に利用した場合は6年~8年くらいを目安にいると良いと思います。
また、SSDが寿命を迎えるとデータを取り出すことも、保存をすることもできなくなります。データを取り出す場合は専門的な知識や器具を使って無理やりデータを取り出す方法意外データを取り出す方法がなくなります。そのため、今自分が使っているストレージの状態やこれから導入する予定のパソコンが壊れていないかを確認は絶対に把握しておくべきです。
ストレージの状態を把握する方法は下の記事にまとめてあるので興味ある方はそれを参考にしてください。
まとめ
ここまで、『MLC』採用のストレージについてまとめましたが、2019年現在最も普及しているのがMLC搭載のSSDです。これからSSDの導入を検討している場合は、MLC採用のSSDの導入をおすすめします。
もし、価格帯的に厳しいという場合はTLCなどにランクを一つ落としても、寿命や性能も落ちますが十分使いやすいと思うので良いかと思います。
土日休み.comでは、SSDの最新情報や選び方などの他にもパソコン全般についても最新情報を紹介、解説しています。下の関連記事におすすめの記事があるので、興味のある方は参考にしてみてください。
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